2005年度プロジェクトアウトライン

本研究は高度な技術をレーシングカーという窓を通して学び、その開発過程で自ら問題を発見し、それを解決する能力を養うことで、将来、社会に出て役立つ力を身につけることを目的とする。ヨーロッパのモータースポーツ文化に自分たちの持つ技術力で挑み、ル・マン24時間耐久レースに参戦し、6位以内入賞することを目標とする。そのためには、高いパフォーマンスを維持しつつ24時間を走りきらなければならない。ゆえに、信頼性・耐久性の確保をコンセプトとした車両TOP03を、これまでの研究の集大成として完成させる。」

 

研究室の仲間からチームメイトヘ

ル・マンプロジェクトは、東海大学工学部動力機械工学科の卒業研究の一つであり、研究開始当初はお互いに面識のないメンバーも多数いる。しかし、ル・マンプロジェクトの大きな特徴として、一つの研究テーマに対して20名前後の学生が関わり、それぞれがマネージャー、ボディ、エンジン、足回り、人間工学の班に分かれて全員で一台のレーシングカーを設計していくということがある。ゆえに、他の研究とは違い関わる人間の強い信頼と繋がりが求められる。2001年からスタートしたこのル・マンプロジェクトは、年々変化するレギュレーションに対応しつつ、技術的なアップデートを繰り返してきた。2005年度は、Study Carのシェークダウンや様々なイベントがあり、それらを重ねるたびにお互いの関係は強固になっていった。通常の研究においても、自分の担当分野だけでなく、自分の分野が他の分野にどのような影響を及ぼすかということを常に考え、密なコミュニケーションを繰り返してきた。2005年11月10日にFUJIスピードウエイにて行われた高速走行実験の際にあるジャーナリストの方から「5月のシェークダウンの時とは学生全員の動きが見違えるようになったね。」と言われ、続けて「何か打ち合わせとかしたの?」と尋ねられた。特別な打ち合わせをしたわけではなく、個々人が自分の役割をきちんと認識し、相手の行動を予測できるようになったからだ。「研究室の仲間」から『チームメイト』へと成長してきた証と言える。お互いに尊重し、切磋琢磨しながら共に成長していく素晴らしい『チーム』になってきた。