ル・マン24時間耐久レース

  デイトナ24時間、スパ24時間と共に世界三大耐久レースの一つであるル・マン24時間耐久レース。フランスサルテ市にあるブガッティサーキットとその周辺の公道から成るサルテサーキットは一周13.6km、長いストレート、低中速コーナーを持ち24時間という過酷なドラマの舞台となる。ル・マン24時間耐久レースは1923年から毎年行われ(第二次世界大戦中を除く)、ヨーロッパにおけるモータースポーツ文化を象徴している。かつては、世界中の自動車メーカーが自社の威信をかけて競ったル・マン24時間耐久レース。現在ではプライベーターがこの歴史あるレースを支えていると共に、多くのファンに感動を与え続けている。
ル・マン24時間耐久レースがどうしてここまで大きく、歴史あるレースになっていったのか?
理由は大きく2つある。1つ目は、F1などを統括してるFIAとは別のACOをいう団体が統括しているため、独自のレース形態をとることが可能で、他の外乱によるレース運営を強いられることがない。
 2つ目に、地域に根ざしているということがあげられる。ル・マン24時間耐久レースは年に一度の一大イベント。町を挙げてレースをサポートしている。例えば、コースマーシャルなどは場所によって担当する家が決まっていて、先祖代々担当してきた仕事をその子孫たちがまた担当していくのである。彼らは誇りを持って自分たちの仕事をし、そして何よりレースを愛している。そんな人たちによって世界一過酷な耐久レースは支えられているのである。

 

メーカーの熱き闘い

 モータースポーツは自動車メーカーにとって、技術力の誇示と広告宣伝の要素が強い。ル・マン24時間耐久レースも然りであり、栄光を勝ち取るため、各メーカーは惜しみなく資金と技術力を注ぎ込む。日本からはトヨタ、ニッサン、マツダが活躍し、欧州からはアウディ、ポルシェ、プジョー、ベントレーなど名だたるメーカーが凌ぎを削った。現在は、ワークス(メーカー)不在であるが、2006年からワークス復活のうわさがある。ル・マンが再度ワークス同士の戦場となるのも遠くはない。東海大学はそんな厳しい状況の中で、ル・マン初参戦を目指す!!

 

24時間という時間

 24時間という時間。毎日何気なく生活している1日ではあるが、その1秒、1分、1時間を感じたことはない。24時間極限の状態でレースをするというのはどういうことなのだろうか?強靭な肉体と精神力、卓越した集中力が要求される。
「学生には1秒の重み、1日の重みを感じて欲しい」と林教授は言う。自分たちのすべてを注ぎ込んだマシンが24時間の過酷なレースを走りきった瞬間を思い浮かべると、そこに浪漫を感じずにはいられない。24時間を共に戦った仲間との絆、分かち合う感動の瞬間まで、あと少し・・・。