第21回講演(2/4ページ)

 

 それでは、今、インターネットの時代かというと、最近はインターネットと言わなくて、ウェブコンピューティングの時代だという人が大部分です。普通の企業をPC-LANというパソコンを線で結んで使うというやり方と、インターネットがドッキングして、イントラネット(インターネット関連の技術を使って構築された社内情報システム)、エクストラネット(インターネットのVPN等の技術を利用して構成する理論的な組織内ネットワーク)という形になりました。イントラネットとは、例えば本社が横浜にあって、営業所が大阪や名古屋にあります。そういうときに、横浜、大阪、名古屋をインターネットの技術を使って社内ネットを作ります。エクストラネットとは、自分の会社だけではなくて、グループ会社や取引先を一緒に結ぶというやり方です。
 この流れから、ウェブコンピューティングというのが出てきました。ワープロを使う時には、ワープロの一太郎だったら一太郎と書いてあるアイコンをクリックして一太郎を立ち上げます。しかし、ウェブコンピューティングは、そうではなくて、ホームページを見るプログラムで(プラウザ)、一般的によく使われているインターネットエクスプローラー、そのプログラム上で全部、ワープロから情報プログラムから何でもやりましょう。そういうのがウェブコンピューティングです。これは、マイクロソフトのコンピュータでもマックのコンピュータでも、機種に関係なくウェブというのは使えますから、そのウェブさえあればプログラムが全部動くという共通性があり、これからはだんだんこういう世界になってくると思います。

 

 インターネットの、企業で活用する機能については、ウェブの検索と電子メール、これが圧倒的に使われています。それからホームページを自分で創り、皆に見せたりします。それから、先程お話ししたイントラネットとかエクストラネット、社内ネットワークとか、グループ間のネットワークに使います。そして、Eコマースといわれている電子商取引に、こういったものに使われてきます。
 よくB to B、B to Cという言葉が出てきます。Bはビジネスなんです。企業と企業でやり取りするのが、B to B。それでCは個人です。B to Cは企業と個人がやり取りをする。ですから、電子商取引というのは、売りたい企業から買いたい個人ということです。オンライン販売はB to Cです。
 こういう機能をどういうところで適用するか。まず、企業が、その営業所などをインターネットの技術を使って通信をやったりします。これをイントラネットといいます。それから、企業が仕入業者などとデータをやり取りします。これを、EDI(イーディーアイ)、取引データ交換と言います。電子データ交換とも言いますが、取り決めた企業間でやる方法です。それから販売店もそうです。受注、発注をデータでやり取りする。これを合わせてエクストラネットと言います。
 ECは、こういう企業と不特定の企業の、あるいは企業と個人でやり取りすることなんです。
 これをどのようにやったらいいかと言うと、すべて自分で作らなくても、最近は大手のプロバイダーがインターネットの接続サービスだけではなくて、企業間の取引きの仲介をやってくれたり、EC(電子商取引)の販売で電子ショップをやってくれたり、決済とか配送の支援をやってくれたりします。それから、先程の企業ネットワークをインターネットを使ってやりたいという時も、外部からの不正侵入を防ぐ、ファイアーウォールを企業側で持たないで、プロバイダー側で設定して、そこから来ないようにするというサービスもあります。
 最近はホスティングサービスといって、企業が持っているコンピュータのパソコン以外は全部、プロバイダーがやってくれるというようなやり方があり、運用までしています。そして、最近よく見るのがASという「業務プログラムを乗せてサービスしましょう」と言うのがあります。企業形態でやりたい、経理の処理をやりたいと言うと、経理の処理システムがプロバイダー側にあって、ただ、お客が使うだけ。ですから、自分のところでそういうシステムを、運営、管理をしなくていいんです。

 

 ホームページ、ウェブについて、ビジネスでの活用を考えてみたいと思います。プロバイダーによっては、アイディアで色々な使い方がありますが、大きく考えて、5つになります。
 まず1つ目は、企業のPRです。企業のイメージアップ、社会貢献などが入ってきます。
 2つ目が、採用活動です。会社の紹介から採用の情報とか、採用のエントリーとかです。今、大学でも学生にひとつのメールアドレスを持たせて、インターネットで色々なことをやっています。
 70人ぐらいのソフト会社で、10人の人を採るのにいつも4、5,000枚ぐらいのパンフレットを作っては配って募集していました。それが、一昨年ぐらいからホームページに採用のページを出したんです。それで「応募したい人はメール下さい。会社案内を送ります」と、やった。そうしたら、3千何百人と応募があったんです。パンフレットを増刷して全部送ったら、ものすごくお金がかかったそうです。
 それで去年からは、ホームページ上に会社案内を全部書き込んで、もっと電子的にやろうと。最近、ソニーやマスコミ関係の会社は、ほとんどのところが、第2次審査はインターネットで小論文提出です。それで審査をして、何分の一かにして、また小論文を出して、2、3回そうして、初めて人を集めるやり方をしています。フジテレビは、何10人も採らないんですよね。ところが、応募だけは何万です。いちいち会場を設けてやっていては大変なので、全部インターネットでやっています。来年からは、面接をすると緊張してあがってしまう人がいるので、本当のことがわからない。だから、1次面接や2次面接はインターネットでやろう。応募したらそのタイミングによって質問がどんどん違ってくる。それに対して回答してくる。というようなことをやろうとしています。いい人を採用しようと思うと、大学に頼むというのもいいんですが、これからはインターネットでやるというのも必要になってくると思います。
 3つ目は販売促進です。商品の紹介だとかアンケート。
 4つ目はオンライン予約です。商品説明とか受注受付ですね。
 5つ目はオンライン販売(通販)です。
 松下電工のホームページを覗いてみたら、松下電工の売っている建材製品の6万3000点がホームページで見られる。そして、検索をしてみると、このホームページはすごいなと感じました。それは普通なら建築業ですと、お客さんに図面を描いて渡します。しかし、設備等の建材商品の図面をダウンロードすることができる。ですから、図面を描くときにそのダウンロードしたものをはめ込んで作ることができるんです。それと、写真、画像もダウンロードできるんです。そういうような商品紹介、カタログになっているんです。
 それ以外に、建設業にはよく店先に置くチラシに写真とか商品の絵とかありますが、その色々なデータをホームページの中に入れておいて、お店からそのデータをインターネットで引っ張ってくる。それを拡大してチラシなどに使うシステムになっています。ですからチラシでも、毎回たくさんの写真や絵が入っているのは、いちいち撮ったり描いたりしているんではなくて、そういった関連のところから、まとめて、データをインターネット上で取り込んでいるんです。

第21回講演(3ページへつづく)