第41回講演(4/4ページ)

 実際の検査だが、どんなことをしてアンチエージングに努めているか。機械を両手で持つと、体の脂肪と筋肉量が計測される。
 直接、全身の血管をみるわけにはいかないので、内径動脈に超音波をあてて、内径動脈の内側の状態がどうなっているかを画面上でみる。同時に脈派血圧計で全身の血液がどのように運ばれているかをみる。
 血圧を測る時、マンシェットというものを腕に巻く。このマンシェットを両手両足に巻いて心臓から全身に運ばれる血圧の脈派の波形をとる。それが左右対称で上下で医学的な範囲の差であれば問題ないが、それが強く、異常になると、どの血管に動脈硬化があるかがわかる。

 血小板凝集をみる機械。血液を採ってこの機械に入れるだけで、血液ドロドロ状態がわかる。これについては、私も睡眠時無呼吸で直接この仕事をしていて、先日、これについての英文テーマが一つ通ったところで、世界的にもこういう方法が有効であると認めていただいた。
 今の機械に入れると、画面上に粒々がでる。これが血小板の塊だということがすぐにわかる。採血する、それを機械に入れるだけでその人の血小板凝集度が上がっているかすぐわかる。

 以上、4週間後に2、30分かけて医師がすべてのデータに基づいて細かく説明をして、食事、運動、サプリメントについて指導を行って、目標の運動量をどれくらいにしたらいいかとか、ステップ、心拍数はとか、一人ひとりのテーラーメード医療としてデータに基づいてお話させていただく。

 フォーローアップもあり、栄養指導、運動指導、サプリメント相談をやるが、各種講演会をやってその後、異常のある項目については外来で拝見するとか、あるいは糖尿がある人は糖尿病の教育入院を受けていただくとか、あるいは女性の場合、足に静脈りゅうなどがある場合は肺血栓塞栓症にもなるので、この辺もきっちりとフォローさせていただく。

 こういうことをやり始めてから、かなり講演会を開くことができて6回。マスコミ関係のテレビ、ラジオの取材、新聞報道等がかなりあって、インターネット上にもネットニュースとして流された。
 抗加齢ドッグのパンフレットは私と副院長の西崎先生と抗加齢に造詣が深い分子生命科学の石井先生とか、非常勤教授で抗加齢では非常に有名な久保先生とか、川田先生が担当させていただいている。

 日経メディカルでも報道されたり、日本経済新聞、毎日新聞、夕刊フジで特集されたり、学内誌でも特集を組んでいただいている。メルマガでは香取先生にご挨拶いただき、猪子医学部長にもご挨拶いただいて、講演会を大々的に開かせていただいている。

 このようなことをしていると、テレビも取材にきてくれる。夜の11時ころからやっているワールドビジネスサテライトで、大江麻里子アナが実際に受診者になって検査を受けてくれて質問してくれた。

 抗加齢ドッグは電話で予約を受付けている。当日までに必要書類に目を通して問診表を書いていただく。Aコースは4、5時間。Bコースは3時間。通常のドッグと併用するとさらに3時間が加算される。すべて受けたとしても一日、日帰りで終る。そして、4週間後に抗加齢の専門医が説明をさせいただくということになる。

 Aコースが12万1800円、Bコースが8万8200円となっている。高いと思うかも知れないが、かなり専門的な項目を調べている。みなさんが急に調子が悪くなって救急車で救命救急に運ばれて集中治療室に入って、一般病棟に移って、ようやく退院ということになると400万円くらいかかる。そのようにならないために、この値段が高いか安いかを考えていただくと、決して高くはないと思うし、通常ドッグとセットで受けると1万円引きになるし、さらに今日参加のみなさんには割引券が入っている。

 とにかく、120から125歳を目指して、病的老化の部分を一人ひとりが削るような日常生活をして、食事に注意し、睡眠をとり、そしてストレスのないところで、というのは無理だが、少しでもそのようなものを減らすようにして日々を生きていただきたい。

 最後に、この前(登頂に)成功したK2登山隊の人たちの面倒をみた。上から撮った清々しい写真をお見せして終りたいと思う。ありがとうございました。

スライドを使って説明する桑平先生

 

この内容は2006年12月1日ホテル横浜ガーデンで行われた講演を記録したものです。講演者の話の趣旨はなるべく忠実に伝えるように心掛けていますが、文章化するにあたり、その性質上多少異なる場合もあります。尚、記事の掲載に誤りのある場合は講演内容を優先するものとし、お詫び申し上げます。

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