TOP03の先行実験車『Study Car』一開発とテスト走行一

TOP03を設計するにあたって、YR40Tの実走行におけるエンジンセッティングを行い、さらに車両走行データを採取し、設計にフィードバックするためTOP03の先行実験車『Study Car』の製作を行った。カーボンモノコックを持つ市販車をべ一スに外観を一新し、YR40Tを搭載した。走行テストにおいては、学生もメカニックの役割を務め、『実物に触れる』という研究室の中だけでは経験できない実践的な知識を修得することができた。

 

『Study Car』の記録

2005年2月〜4月

 

『Study Car』の基本レイアウトも学生が行った。2004年度の先輩方が残してくださった図面を引き継ぎ、レイアウトを完成させた。車両を覆うカウルもカーボンで製作され、純白のレーシングカーが完成した。


2005年5月30日

 

宮城県SUGOサーキットにおいて、『Study Car』の公開シェークダウン走行を行った。多くの関係者、報道陣が見守る中、プロドライバーの鈴木利男選手のドライブで初の走行を行った。100%の状態ではなかったが、無事走行を行い大成功であった。


2005年6月13日

 

湘南キャンパスにてデモ走行を行う。(『Study Car』in湘南キャンパス)

湘南キャンパスの昼休みに、日常を切り裂くエキゾーストノートが響き渡った。初めて見るレーシングカーに多くの学生が身を乗り出した。心躍らせるレーシングサウンドは、集まった学生に多くの刺激を与え、ル・マンヘの期待をより大きくさせるものだった。


2005年9月

 

実践的な知識の修得 学生が出張し『Study Car』の改修作業を行う。

5月30日に無事にシェークダウンを行ったStudy Carであったが、更なる走行テストを行うためにYGKで改修作業を行った。ル・マンプロジェクトから4名の学生が山形に出張し、YGKの方々と共同で3週間行った。レーシングカーを研究している学生にとって実際のレーシングカーを解体・メンテナンス・組立を行うという経験は文献からでは得ることのできない貴重な経験だった。そして、出張した4名が学んできたことを他の学生にも伝えることで貴重な経験を全員で共有することができた。


2005年10月31日

 

実践的な知識の修得 再びSUG0にて『Study Car』のテスト走行を行う。

9月に行った改修作業のチェックと11月10日に富士スピードウエイで行われた高速走行実験に向けてのエンジンマッチングが行われた。このテストでは山形研修に参加した4名の学生がメカニックとして作業し、また他の学生もタイム計測やタイムボードなどの役割をこなし、ただ見ているだけであった5月のシェークダウン時とは違い、メンバー全員に意識の変化が現れてきた。この日は2時間の走行を行ったが、予定を順調にこなすことができ、高速走行実験に向けてマシンもメンバーも万全の態勢を整えることができた。


2005年11月10日

 

新生富士スピードウエイにて公開高速走行実験を行った。天気にも恵まれ、311km/hの最高速を記録し目標を達成した。走行後に行われたプレゼンテーションでは本番車T0P03のイメージ図の公開も行われた。


2005年12月21日

 

新たに軍両データを採るためのセンサー類を多数取り付けSUG0にて今年最後のテストを行う。