第28回講演(3/3ページ)

 

介護サービスの1割は自己負担
 介護保険で給付してくれるサービスは在宅と施設とがあります。介護保険は前にも述べたように、おカネを給付する制度で、このサービス自体はもともと老人保険法や老人福祉法で実施しているサービスを介護保険法の給付をするサービスとして位置づけたものです。その時に、新しい名前をつけました。それでみんな、ますます分かりにくくなっています。
 在宅サービスの訪問通所サービス、訪問介護は前は老人福祉法でホームヘルプと言っていました。介護保険で利用した場合、指定業者からサービスを受けた時に1割は自己負担ですが9割は保険で負担してくれるということです。
 1から5の間で要介護と認定された人は施設を利用できますが、要支援と認定された人は施設のサービスは利用できません。グループホームを除いて、あとの在宅サービスは利用できます。
 事業者と直接契約を結んでサービスを利用してもいいですが、総合的に利用するために居宅介護支援事業者が計画をつくってくれて、サービスを調整してくれます。このように事業者があります。ケアマネジメントは計画をたててもらうか契約を結んでサービス計画をたててもらうし、それぞれ利用するサービスについても契約を結んで利用していくことになります。概要説明とそれに合意を得て契約を結ぶ、大変と言えば大変ですが、納得した上でサービスを受けることになっています。そして1割を負担することになります。
 要介護度に応じて給付される費用が決まっています。単位という形で上限額が決められています。利用手続き支給限度額で例えば要支援の6150単位は一単位が10円ですから、これをかけて月に6万1500円が上限になります。この範囲なら介護保険で自己負担が1割ですがそれ以上使うと、全部自己負担しなければなりません。高額になった場合の上限額もあります。1割負担が高くなるようなら、高額の負担をしてもらえる仕組みになっています。
 12年度の国保連の介護給付支払状況は1年間で3兆1952億円となっています。当初の予算の84%でした。これが介護保険の予算として使われました。
 今までは介護保険では在宅サービス、在宅福祉と言っていましたが、供託サービスもトータルすると28万9480事業所ということですが、一番多いのは、居宅療養管理指導でこれは医師等が往診するもので、次が訪問看護の事業所が多いです。三番目が訪問リハビリテーションでこれは意外です。訪問リハビリテーションが不足していて苦労しているようですが、事業所としては病院等のリハビリ部門が指定されているのではないかと思います。      
四番目が訪問介護で家事と身体介護を行う事業所です。五番目が通所介護でデイサービスと言われ、昼間行って入浴、食事、ちょっとしたリハビリやリクレーションを行う。このような事業所が多いです。
 収入をみると、一事業者当たりの平均利用者数、それから月平均収入は特定施設入所者生活介護、これは有料老人ホームなどですが、これが在宅の施設とみなされていて認定を受けた人が介護保険の給付の対象になっているので、有料老人ホームに入っている人への給付が金額的には多いです。次に通所リハビリテーションが多くなっていますが、老人保健施設でやっていたデイサービスです。昼間行ってリハビリや健康チェックしたりして帰ってくるサービスです。
 施設サービスの事業所ですが施設は四つ。施設介護老人福祉施設、これは老人福祉法の特別養護老人ホームになります。それから介護老人保健施設は老人保険法から介護保険法の施設に移ってしまったので、介護保険法の施設となっています。あとは指定介護療養型医療施設です。かつて老人病棟とか言っていた部分の施設になります。
 介護事業所数の推移は、痴呆のグループホームと言われる痴呆対応型共同生活介護とか特定施設入所者生活介護、両方とも在宅のサービスとなっています。痴呆のグループホームが急速に増えているのがわかります。次に有料老人ホームも増えています。特養老人ホームのある介護老人福祉施設はそれ程大きな増えかたはしていないようです。老健施設も少しは増えています。常用型医療施設はわりと増えています。最初、これを介護保険の対象にもってくることが狙いでしたが、医療保健と介護保険でまだ選べる状況でしたから病院が必ずしも介護保険の施設になっていないことがあるので、徐々に増えてきているのではないかと思います。
 サービス利用者の現状は、在宅サービスの利用者が133万人となっています。

 

介護ビジネスの可能性
 行政がサービスを提供していたわけですが、今度は民間事業者によってサービスを提供してもらうことになりました。介護保険は居宅サービスと言いますが、これを民間事業者に指定をして、指定を受けるには法人であることなど基準が示されています。それに該当すれば指定を受けられます。
 サービス計画をつくるケアマネジメントは指定居宅介護支援事業者と言うことで、指定を受けて事業を行います。施設は指定介護老人福祉施設、これが特別養護老人ホームですが老人福祉法に基づく施設で、老人福祉法で規定があります。介護老人保険施設は介護保険法によることになります。常用型医療施設も医療法に指定されるので勝手に民間事業者がやれると言うわけではありません。それぞれの法律で規定があるので、誰でも参入していいとはなっていません。
 有料老人ホームとか、痴呆のグループホームとかは今、民間事業者ができるのでどんどん参入しています。介護関連ビジネスの分野としてハードとソフトの部分があります。ハードの部分としては関連機器の製造販売分野があり、ベッド用品、入浴用品、おむつ用品などの福祉機器、用具があります。サービスの分野は介護、医療、生活基盤、住宅関係、生甲斐関連、金融などの分野で今、動き出しています。
 介護保険導入前の厚生省の推計では平成7年で重要型病床群などが7000万円、12年で1兆円くらい。老人保健施設、特養施設、在宅で1兆1000億円くらい。全体で4兆3000億円くらいになるのではないかとされています。介護関連機器の市場規模の推計は、2000年度の見込みでハード部分で3420億円。それから介護サービス市場の将来推計が2000年で4兆円、2025年が14兆円から21兆円くらいになるだろうとされています。
 通産省でも推計をしていますが、介護保険の給付負担率で2000年が4兆2000億円、関連サービスが8兆4000億円と、少し大きな数字となっています。
 大企業の参入例として、介護サービス、福祉用具、ヘルパーの養成指導などで有料老人ホームなどに入っています。痴呆のグループホームの急増が目立っていて、それに合わせて苦情も増えていることが新聞で報道されていました。住宅不動産業界が企画商品として力をいれていると言うことで、グループホームの急増が伺えます。
 国は、ゴールドプラン21で平成16度までの5ケ年で、平成11年度のプラン実績を引き上げてホームヘルパーが17,6万人から35万人くらいに増やしていくと言うことで、これからも違うサービスの整備を図っていく計画になっているので、介護ビジネスは完全に規制がはずされているわけではありませんが、難しい部分もありますが部分的にはビジネス要素は出てきています。
 福祉は今まで社会福祉法人が行ってきたこともあり、規制があり完全な自由市場とはなっていません。しかし、かなり大きな規模の市場にはなるだろうと思っています。

 

この内容は2002年9月12日シャトレー・イン横浜で行われた講演を記録したものです。講演者の話の趣旨はなるべく忠実に伝えるように心掛けていますが、文章化するにあたり、その性質上多少異なる場合もあります。尚、記事の掲載に誤りのある場合は講演内容を優先するものとし、お詫び申し上げます。

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