第21回講演(4/4ページ)

 

 最近インターネット電話というのが、はやってきています。インターネット電話は「パソコンにマイクを付ける」これも確かに1つのインターネット電話なんですが、そうではなくて、パソコンから普通の電話線につないで電話とパソコンを使う方法です。最近はインターネット電話の会社ができて、普通の電話からこの会社へ電話する。使っているのはインターネットです。そこから先は市外電話なんです。インターネットは、アメリカへつなごうと、地球の裏側へつなごうと料金は一緒です。ですから、こういうことを事業にしている会社が700社ぐらいあります。そのうち縮小されて淘汰されていくと思います。

 

 ホームページをやったりメールをやったり、企業でどのくらいお金がかかるの?という話が次に出てくると思います。
 ホームページを作るのに、簡単に大きく2つに分れます。自分で何でも自由にやるのと、ある程度プロバイダーにまかせる方法です。私は全部自由に自分でやる必要はないと思いますが、本格的にやるとインターネットでプロバイダーへつなぐのに専用線を引く、そこにホームページ用のサーバーをつないでファイヤーウォールの方につないでおいて、その後ろに自分の会社のシステムにつなぐというやり方です。これだと、初期費用で450万円以上かかります。それから月々の経費が2万円位かかります。これ以外にホームページを作る費用とかこれを管理するための運用者が必要になります。

 今、ネックになるのはそういう技術屋さんがいないという点です。そういう時にプロバイダーを使います。プロバイダーを使う時に、ホームページをプロバイダーの所に持っていきます。専用線を使った場合は、初期費用は120万円位です。月々の管理はちょっと高いんですが、ダイアルアップ・サービスを使う方法だと、初期費用は20万円位で、月々4、5万くらいです。ただ値段だけじゃなくて、運用者がいらないので、人件費も考えるとプロバイダを利用する方法の方がいいと思います。簡単に使えるようになります。皆さんの会社でも簡単に自分のところのホームページが作れるようになります。

 ホームページは自前で作らなくても、作ってくれる業者がいっぱいあります。ホームページを作ってもらうのに電通とかプロに頼んで大々的に作るとなると何千万とかかります。コマーシャル作るのと一緒です。
 ホームページは毎月新しい情報を載せないと見に来てくれませんから、そういうことも考えておかないといけません。安いところもあると思います。例えば、ホームページ一ページ2千円という学生のネットワークで作っているところもあります。しかし、管理、運営面など、どこが責任を持つとか色々の問題が出てきますから、安いのがいいというわけではありません。

 インターネットの経済の規模ですがアメリカの例でお話します。インターネットを使うのは個人よりも、企業間で、取り引き機関として使うのが一番多いんです。1996年は1兆5、6,000億です。それで、2000年で20兆ぐらい。

 もし、自分が電子ショップをやりたいという時には参考にして下さい。これは2年前のデータです。NECがやっていた電子ショップの集計なんですが、コンピューターを売ったり、書籍やアパレルなど色々と商品があります。その中で、購入希望というのはコンピューターが一番です。しかし、実際に一番多く売れた商品は食料品です。お中元、お歳暮とかで強いと思います。これからは音楽とかアパレルが、強くなっていくんじゃないかなと思います。あと、書籍も渡すのにコンビニを使えるようになったので、これから増えていくと思います。

 

 これがインターネットのおおまかな説明です。毎日変化していますから、細かく説明しようがないんですが、だいたいはこんなところが現状です。今後インターネットがどうなるか、まず1つはインターネットをやるためにプロバイダーに回線をつながなくてはならない。それが今までは電話と同じ様に3分いくら、何時間いくらとか、時間制だったのが、使い放題でいくらというようにだんだん変わってきているんです。今、一番使われているのが、NTTのISDNですが、去年の11月に8,000円で使い放題になったんです。ところが、びっくりしたのは、方式は違うんですが、東京インターネットとか、5,000円台というのがでてきたんです。NTTは急きょ2000年の4月からつなぎ放題で4,500円というサービスを始めました。ただ、どこでもつないでいいというわけではありません。自分の契約したプロバイダーとは1ヶ所つながっていますから、そことつないで、ずっとつなぎっぱなしで月に4,500円なんです。アメリカではもっと安くてこの半分位ですから、まだまだ安くなるだろうと思います。
 それから、インターネットをやるにはそれ以外に、プロバイダーと接続する時に接続料金が結構かかるんです。メールだけだと、時間は少なくて安くてすみますが、ホームページで色々見ようとすると結構かかります。ところが、何時間接続しても2,000円と言うのがでてきました。それはプロバイダー自身も接続料金で会社を運営するのではなくて、たくさんプロバイダーに接続させることによって広告を出したり、通販をやった時の手数料で食べていこうと、接続料金以外に収入が出てきて、こっちの方を狙いだしてきたんです。それを狙うためには会員が多いほうがいい。
 アメリカオンラインなどはそういう目的です。収入のプロですから、会員をドンドン増やすために価格を安くして集めました。その極端な例が、去年の11月から出てきた「接続料無料ですよ」というプロバイダーです。これは小さいプロバイダーですが、ただそのかわりにホームページを見るプラウザーを使いますし、ここの広告がどんどん出てきます。ちょっと目障りですが、ただで使えます。

 それから、インターネットと接続して使うパソコンを無料提供するというのが出てきています。それと、パソコンを付けて100時間までは月々サンキュッパ(3,980円)、4,000円でおつりが来ますよと。パソコンはただで提供しますよ。と言うサービスです。これも、変なところのパソコンではなくて、IBMのパソコンです。9万8,000円のパソコンが、ただで提供されます。そういうのが幾つかあります。
 それから、証券の株の取り引きを普及させようということで、証券会社がそれを使うためのパソコンを無料で配布したり、安く配布しています。
 インターネットを使う時に回線料も安くなって、接続料もどんどん安くなっていきます。パソコンもただで使えたりします。そうすると、より急激にパソコンが普及されていきます。

 これから、注意というか忠告したいのは、携帯電話やPHSなどとインターネットの結びつきです。これは、例えばドコモですとiモード、DDIやIDOですとEZサービスと言う、インターネットでメールを送ったりホームページを見たり、そういうことが携帯電話でできます。ホームページが見られるということは、電子商取引、チケットを買ったりとかが全部できるんです。
 それで、特に次世代携帯電話が出てきて、W-CDMAというヨーロッパと同じ方式に、ドコモもIDOも国内は全部そうなりそうです。そうした時には、ドコモは次世代携帯電話は電話だけじゃなくてiモードが標準、iモードがついてないのはなくなる。そういう時代になりそうです。W-CDMAをやるのはドコモは来年ですね。アメリカは2003年からなので、この部分はアメリカは遅れているわけです。携帯電話でのインターネットは日本が進んでいて世界標準になりつつあります。

 それから、家庭でのインターネットの主導権争いというのがあります。今までインターネットとやり取りするのは、パソコンだと思っていました。アメリカはインテルにしてもマイクロソフトにしてもパソコンがメインになっています。それで家庭の色々なものを動かしたりしてきたんですが、ゲームが出てきました。一番最初はドリームキャストでしが、日本では人気がなかったんです。しかし、あれはインターネットとつながるんです。インターネットとつないで色々な人とインターネットを通じてゲームができる。アメリカは回線料が安く、CATVのところが多いんでいくら使ってもただだったり、つなぎっぱなしで定額のところが多いのでゲームなどに使えるんです。それで、プレステ2になりますと、メールから何から全部やれるようになります。だからプレステ2を買ってくれば、ホームページも見られるし、DVDも見られる。ゲームもやれるということになります。
 ではこれが主流になるかというと、今度は家電があります。家電メーカーが黙ってなくて、インターネット電子レンジというのが出てきました。これは、電子レンジがインターネットとつながっている訳ではないんですが、インターネットで調理法が出てきて、それを電子レンジにつなぐとその通りに電子レンジが動いてくれる仕掛けです。
 そして、これから多分テレビでインターネットが見られる時代になると思います。テレビの中に機能を組み込んで、インターネットにつなぐという時代になってきます。家庭の中でも、パソコンが嫌いで、キーボードが嫌いだという人の所でもインターネットが簡単にできる時代になると思います。

 これからは急激に増えてくるんだろうと思いますが、日本でもまだ7年しかたっていません。今後どうなるのかわかりません。通産省とアンダーコンサルティングというところが調査した結果ですが、IT関係ではメインフレームの時代とかパソコンの時代とか波があって、今は第3の波ということでインターネットの時代だと。そして、ホームページがあったり、E-ビジネスがあって、E-コマースがあってと、こういうことです。移動体通信や、デジタル放送なども色々出てきています。

 

 インターネットの経済規模は、日本ではB to B(企業対企業)で、1998年は9兆円、2003年には68兆円になる。アメリカの場合は、20兆円から165兆円になるだろうと言われています。それから、B to C(企業対個人)の通販は、日本は今は700億円ですが、それが3兆2000億円ぐらいになるということです。
 圧倒的に企業で使う方が多いという時代になってきつつあるんではないかと予想されます。

 

 是非、インターネットをうまく活用して下さい。インターネットをうまく活用しないと企業として生き残れない、または個人としてもよそと差がつくという時代になりつつあると思うんです。中にはパソコン、キーボードが嫌だとか言う方もいるかと思いますが、別にパソコンを使ってゲームをやってもいいし、インターネットでつないで動画を見るだけでもいいと思うんです。そうすることによって、コンピュータの使い方を覚えますから。ですから自分の好きなことで、まず、やって下さい。
 ただ、会社の中でインターネットを自由に使わせますと言うと、自分の好きなことばかりやって、働かないという人がいるんですが、統計的にみると3ヶ月くらいで飽きてくるんですね。そしたら、まじめに働きます。インターネットは自分の好きな遊びからでいいと思います。

 

この内容は2000年4月20日シャトレー・イン横浜で行われた講演を記録したものです。講演者の話の趣旨はなるべく忠実に伝えるように心掛けていますが、文章化するにあたり、その性質上多少異なる場合もあります。尚、記事の掲載に誤りのある場合は講演内容を優先するものとし、お詫び申し上げます。