第57回

2012.5.17 ホテル横浜ガーデン

東海大学工学部
教授 内田 裕久 先生

 

略歴(2012年5月現在)
内田裕久(うちだひろひさ)

1949年 東京生まれ
1973年3月東海大学工学部応用物理学科卒業
1975年3月同大学大学院工学研究科金属材料工学専攻修士課程修了(工学博士)
1977年11月西独シュツットガルト大学科学科金属学専攻博士課程修了(理学博士)

【職歴】
1975年〜81年 西ドイツ マックス・プランク金属材料研究所研究員
1981年4月〜現在 東海大学工学部勤務
この間、東海大学研究推進部長、未来科学技術共同研究センター所長、工学部長、情報デザイン工学科(第二工学部)長、副学長、国際研究センター所長、理事、評議員を歴任。現在、工学部原子力工学科教授。

【代表的社会活動】
(財)神奈川科学技術アカデミー(KAST) 『内田超磁性材』プロジェクトリーダー、パリ大学招聘教授、経済産業省『中堅・中小企業向け秘密保持マニュアル検討委員会』委員長等歴任。 現在、(財)本田財団理事、日本経済新聞社科学技術部コラムニスト、国際水素エネルギー協会副会長・理事、ポーランド科学アカデミー顧問、南アフリカ燃料電池プロジェクト顧問、NEDO技術委員、JST研究アドバイザー・評価委員、日本希土類学会理事、(財)松前国際友好財団理事長、SAS湘南産学公連携協会会長、神奈川県黒岩祐治知事参与(エネルギー政策担当)等を務める。

【専門分野】
水素エネルギーの農水産業への応用、太陽エネルギーの利用、人間環境を意識したエコテクノロジー、真空技術等。

【発表論文など】
270報(専門、233報、科学技術教育・文明:37報)
交際会議招待講演:46件

 


第57回講演

元気のでる中小企業論2

「新エネルギーに新たなチャンスが生まれる。」

 内田先生のご講演は第19回(99年8月3日)の「中小企業論1 東海大学産学連携の現状」に続いて第2回目になる。
 原発事故を受け、電力不足や電気料金の値上げが言われている。世界の本当のエネルギー事情はどうなっているのか。今後、日本はエネルギー問題とどう向き合っていけばいいのか。
 地球寒冷化のデータとその可能性、世界のエネルギー動向、最新の水素・燃料電池の動向等についてお話を伺った。

 講演で、内田先生は思い込みをなくそう、このような観点でいくつかお話すると前置き。商いは変動の中でいかにネットワークをつくって利益をだしていくかだ。重要なポイントは昨年の福島原発事故をしっかり反省しておかなければ次のステップには行けない。原発に替わる再生可能エネルギーへの移行は量からいっても簡単にはいかない。世界の流れは大量にみつかっている天然ガス、シェールガスだが、これも化石燃料でいつ枯渇するかわからない。このことから、いつの日か再生可能エネルギーを大量に使えるようにしていかなければならない。また、エネルギーを大切に使うための省エネルギー技術は絶対に必要だ。 もう一つ、日本が直面している深刻な問題が高齢化社会と人口減少だ。実はこの中に商いのチャンスがある、とこれから中小企業が向かい合うべき問題に多くのアドバイスをいただいた。

 


横浜望星倶楽部の生みの親であり、何ものにも換え難いご指導をいただいた
東海大学副理事長・香取草之助先生が4月25日に東海大学付属病院で
ご逝去された。これにともない第57回の講師交流会は追悼記念講演となった。


香取先生への偲ぶ思いを語る田中慶秋代表理事と松田良昭副代表理事。

 

懇親会で意見交換をする内田先生と
田中代表理事。
内田先生にとっても、香取先生への
想いはひときわ大きい。
淋しさが込み上げる。